戦争と平和
PN:レンレン(40歳) 北九州市小倉南区
戦争と平和
40歳という年齢に差しかかり、人生の中で積み上げてきた日々や、これから向き合う未来について考える機会が増えた。そしてその中で、「平和」とは何か、「戦争」とは何だったのかという問いが、以前よりも現実味をもって胸に迫ってくる。
若い頃、戦争や原爆について学ぶことはあっても、それはどこか遠い過去の歴史であり、自分には関係のない出来事のように感じていた。でも、家庭を持ち、子どもを育てるようになると、想像の中で「もし、あのとき自分がそこにいたら」と考えるようになった。一瞬で日常が奪われ、大切な人たちと離れ離れになるような悲劇を、想像するだけで胸が苦しくなる。
原爆によって命を落とした人々の多くは、家族を思い、未来に希望を抱いていたはずだ。その一人ひとりに物語があり、生活があった。名前のない「犠牲者」としてではなく、「誰かの父」「誰かの母」「誰かの子」としての存在。それを思うと、今私たちが生きているこの日常が、どれほどかけがえのないものであるかを実感する。
ニュースでは、世界のどこかで争いや暴力が続いている。誰かが命を奪い、誰かが涙を流す現実が、未だに終わっていない。だからこそ、私たちが「戦争を知らない世代」としてできることは、過去の苦しみと向き合い、そこから何を学び、どう未来につなげていくかを考え続けることだと思う。
私は政治家でもなく、何か大きなことができるわけではない。ただ、目の前の家族や仲間との時間を大切にすること、違いを尊重し合える社会を願うこと、そして自分自身が平和を選び続けること。それが、私なりの「平和を守る姿勢」だと思っている。
過去の記憶は、語られなくなった瞬間から風化していく。だからこそ、自分の言葉で、子どもたちに伝えていきたい。「平和は当たり前じゃない」ということを。そうすれば、次の世代もまた、その意味を深く心に刻んでくれると信じている。