更新日:15年08月17日

誇りある政治を



前田 一樹

父との会話の記憶

私の父は、今年で79歳、戦争が終結したときには8歳だったことになる。8歳といえば、戦争の記憶もあると思うのだが、父からは一度も戦時中のことについて話を聞いた記憶がない。父から聞かされたことのある話で記憶に残っているのは、自衛隊の話ぐらいで、パラシュート部隊に入隊したかったがなれなかったといったことぐらいだ。

自衛隊は軍隊ではない

戦後70年の節目に、安倍政権による様々な法制度の改悪が進められ、その中で戦争法案により、自衛隊が軍隊にされつつある。

自分が思っている自衛隊は、消防や警察で対応が困難なことに対処するスペシャリスト集団だ。実際、戦争するために自衛隊に入隊しているのではないという人のほうが多いのではないだろうか。

自衛隊員の苦悩

今まで気にすることがなかったのだが、自衛隊員の自殺状況を過去数年間グラフにしているデータを目にすることがあった。湾岸戦争など、戦争に参加することになった年に自殺者が増えているデータを見て、戦争参加への苦悩が垣間見えた気がした。

最近、自衛隊員が家族を殺害する事件があったが、この隊員も戦争への参加に苦悩していたのかもしれない。

今、考える父の思い

自衛隊を軍隊にしようとする安倍政権に疑問を感じ、ふと、父がなぜ、戦時中のことを一切自分に話さなかったのか頭をよぎった。そもそも、父は、誇りを持てないようなことは、話すような人ではなかったので、戦時中のことは、誇りを持って話せることではなかったので、話をしなかったのではないだろうかと思った。その真偽を確認したいが、昨年から認知症が酷く、父に会っても私が誰だか認識できない、日常会話もままならない状態で確認することができない。

誇りを持って政治を行って欲しい

今、日本は後世に誇れることをやっているだろうか、安倍首相は、自分が進めている政治に誇りを持っているのだろうか。自分は、今の安倍政権に誇りを感じない。誇りとは、みずからそれを名誉(行為について、すぐれた評価を得ていること)とする感情であり、安倍政権は名誉なことをやっていないからである。

安倍首相は、信念を持って持論を展開していると感じるが、もっと自分がしていること、戦争という行為がどういうことなのかを客観的に見つめて欲しい。そして、誇りを持って政治を行って欲しい。

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